背景を語ってみる
ツチクラ住建の経営理念は冒頭にも出ておりますが以下の通りです。

下手な字で書いておりますが私の直筆です。と言っても筆ペンでハガキに書いたのをスキャンしただけですが💦
住宅を作っている会社なので住みよい家は当たり前ですが、そこに住みよい地域を加えたところが特長といえます。地域というものにこだわりを持ったのが理念の原点なのですが、今回新入社員の山口さんが入社した当日に理念について時間をとって説明しました。自分でも改めて振り返った時に、社内にしっかりと伝わってなかったかも…と思い書いてます。喋った時に動画撮っときゃ良かったと思っても後の祭りということで。

こちらが理念の原点、きっかけとなる画像です。地元飯綱町の霊仙寺山と霊仙寺湖芝広場です。いつの頃だったかは定かではないのですが、先代である父が私をこの場所に連れて来て、
「ここはこれからもっともっと良くなるぞ」
と目を輝かせて言った言葉が記憶に残っています。
父は自身の思いもあって、この写真のちょうど右側はずれ奥にある土倉家所有の山の整備を始めるのでした。その後別荘ブームが起き、ツチクラ住建も年間の売り上げの約半分を別荘関係の仕事が占めるような状況となりました。
しかし、そんな状況も束の間、バブル崩壊と共に別荘の仕事は激減。あれほどあった別荘の新築も何年も無い時代が続きました。そのうち、既存の別荘も利用していないものが増え、手入れも行き届かず傷みが目立つ建物も増えてきました。これからもっともっと良くなるはずだった故郷が、無惨な姿になりつつあるのが悔しくて仕方がありませんでした。これが理念に地域という言葉を入れる原点となった出来事です。
地域活性化という言葉があります。現在ではまちづくりに関わる人々の中で普通に使われる言葉ですが、これを意識するようになる出来事がありました。それは1994年夏に開催されたミュージックキャンプ’94という野外コンサートの開催です。当時の商工会青年部の仲間たちが企画したもので、私は言い出しっぺではなかったのですが、野外ステージを組んだりするには建築屋を仲間に入れておいた方が良いだろうという発想の下、グループに引き込まれ一緒に取り組むことになりました。この時に当時の牟礼村役場の若手職員も仲間に引き込み開催したこと。これが後に「ちゃん付けで呼べる役場職員が10人以上いる」と表現したのですが、ちょっとオーバーではあるものの、みんながだんだん歳をとって要職に着き出すと、いろんなイベントとかがスムーズに開催できるようになりました。
地域活性化という視点でもうひとつ忘れられない出来事があります。2005年の飯綱町誕生です。合併前の時点で当時の牟礼村と三水村は、病院と中学という大事業をすでに行政組合という形で共同で行なっており、その歴史はその時点で20年以上。長い同棲生活で結婚は確実と思われておりました。ところがお互い近すぎる関係から、いろんな欠点も目立つようになっていたためでしょうか、その決定までには紆余曲折がありました。長野市に吸収合併を望む人たちも結構いたのですが、30万都市の一部になるよりも、人口1万人台の顔の見える行政の方がずっと面白いと思い、当時合併協議会で開設していたホームページの掲示板にも積極的に関与し、陰ながら合併成功に力を尽くしました。そんな思いの詰まった飯綱町も、合併時は13,000人いた人口も現在は10,000人を切るかという状況になっています。地元中心で仕事している会社にとって人口が減るのはお客様が減るということに他なりません。ならば、工務店という立ち位置で地域活性化、端的に言えば地域の人口増に取り組むことが、お客様を増やすことにもつながる立派な営業行為だということに気づきました。これが後に経営ビジョンとなる「地域活性化工務店を目指せ!」の元になる考え方です。
もう一つの理念の柱、住みよい家についてもその源流をお話ししたいと思います。そもそも私の生まれ育った家は大変寒い家で、特に冬のお風呂は地獄でした。寒いところで服を脱いで、強烈に熱いお湯に浸かる。身体に良いわけありません。この体験で私はお風呂が嫌いになりました。そこでツチクラ住建に入った時も、まず考えたのがあったかい家のことでした。いろいろ研究する中でひょんなことから出会ったのが、今も続けるファースの家でした。とにかく暖かくて省エネ。出会った時はその異次元の快適性に惚れ込みました。それに加え、開発会社の規模はウチとそんなに変わらないし、職人出身の社長が学者さんに馬鹿にされながらも自分の信じた道を切り拓いてきたというストーリーも気に入っていました。やはりイノベーションを起こすのは変人だと思い、自分も変人を標榜してきました。その中から出てきたのが社是である「唯一無二の存在たれ」です。
既に長文になっていますが、何か語り足りない気もしますので、この先はまた別の機会に書きたいと思います。
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